声かけをためらわないで

 佐木 理人(さき あやと)

~転落経験者の思い~

大学生だった1995年、大阪市営地下鉄・天王寺駅で、
白い杖を使ってホームを歩いている途中、
動き始めた電車に接触し、線路脇に転落。
電車に16メートル引きずられ、頭と手足に大怪我を負い
一年近く入院しました。

電車に引きずられながら、もうろうとした意識の中で、

「もうだめだ」と死を覚悟しました。

その一方で、電車と接触する直前にすれ違った人たちから、

何の声もかけてもらえなかったことが、たまらなくむなしかった・・・。

近年、ホームドアや転落防止柵のある駅は着実に増えていますが、
全駅設置の道のりは険しいと言わざるを得ません

そうした現状で、白い杖や盲導犬の使用者にとって何よりありがたいのが、
周囲からの声かけです。


「声をかけるのは迷惑では」と、ためらう方もいるでしょう。

 

しかし私は「お手伝いしましょうか」という声かけに、何度も助けられました

 

皆さんからのひと言が、命を救うかもしれないことを、

ぜひ知っていただきたいのです。

 

正面を向いて、少し微笑んだ佐木さんの写真。佐木さんはスーツを着ています。
佐木理人さん